自閉症ってなに
自閉症とは「対人関係」「コミュニケーション障害」「パターン化した興味や活動」の3つの特徴をもつ障害です。
自閉症スペクトラム障害といいう呼び方もされています。原因は明らかにされていませんが、多くは遺伝的な要因、生まれつきの脳の機能障害が原因といわれており、親のしつけが原因ではありません。
自閉症の症状としては、日常的なコミュニケーションのキャッチボールができない、相手の気持ちを考えることが苦手で人間関係構築するのに困難さを感じることが多いです。
そして嫌な出来事は数年たっても昨日の出来事のように思い出して癇癪を起してしまう子もしばしばいます。赤ちゃんの泣き声、電車の音、チャイムなど大きな音に敏感に感じてしまう子もいて、外出時はヘッドホンをしないと外出できない子もいます。
また遊び方特徴的で、流れる水をずっと見続ける、おもちゃを一列に並べる、おもちゃをたたくといった単調な使い方をしたり、特定のことに強いこだわりを示すことがあります。
知的な面、言葉の発達に遅れが見られやすく、意味のない言葉を繰り返したり、文章の意味は理解できないが流ちょうに読むことができるなどの特徴がみられます。
私の末っ子は、今は二十を超えていい大人になりましたが、精神年齢、知的な面は小学校低学年です。相手の気持ちを考えることができず、大好きなアニメの話ばかりしています。
そして、二十歳を超えていても、小学生の頃友達と喧嘩した話を昨日起こったかのように話をして、泣き出してしまうこともたまにあります。
自閉症の子が勉強できない理由
大勢で受ける授業が苦手
自閉症の特徴である、「対人関係」「コミュニケーション障害」の影響で、相手の表情や気持ちを汲み取れないことため、学校の授業でのグループワークで空気の読めない発言をしてしまう、友達や教師の発言を間に受けてしまい、傷ついてトラブルが生じてしまう、知的な面、言語の面で遅れがあり、授業内容をそもそも理解できないため、どんどん学校の授業が遅れてしまい、勉強がついていくことができなくなってしまうことが原因としてあります。
大きな音や刺激に敏感
学校という環境は、子供たちが多くいるため、大きな音はたくさん出ますよね。またチャイムの音、給食の食器の音、楽器の音など様々な音が混在しています。
そういった環境は、自閉症の子は苦痛に感じてしまうことがあります。
苦痛に感じている環境で勉強は、集中して取り組むことができずに気が散ってしまう、教室から飛び出してしまうといった行動がみられ、勉強に遅れが生じる原因の一つになります。
こだわりが強く、苦手な科目に興味を持てない
自閉症は流れる水をずっと見続ける、おもちゃを一列に並べる、おもちゃをたたくといった単調な使い方をしたり、特定のことに強いこだわりを示すことがあります。
気に入った遊び、こだわりには長時間集中することができますが、逆に興味がないものには、集中が続かずにすぐに投げ出してしまうので、興味のない教科、苦手な教科の勉強を嫌がることがあります。
うちの子も国語の読解が苦手で、一つの漢字を書き続けるのは、数時間できますが、読解になると、ほんの数分で机から離れて違うことをしてしまっていました。
わが子の体験談を紹介します。
私には子供が3人いて、その末っ子が自閉症です。
自閉症とわかるのは中学2年生の時でした。それまでは普通学級で、授業を受けていました。
低学年のころはほかの子と変わりなかったのですが高学年になると、他の子とは違い幼い言動や、友達ができない、チャイムの音に異常に敏感、独り言が多かったです。
ある日、国語の授業の時に、先生が「教科書に登場する○○さんの気持ちを考えてみましょう」という質問があり、末っ子が発表することになりました。
先ほども言いましたが、末っ子は読解が苦手です。間違った答えを言ってしまったときにクラスの友達から、クラスみんながいる前で「ちがいまーす」「さっき先生ヒント言ってたよ。先生の話聞いてた?」と言ったそうです。
クラスの友達は悪気はなく、バカにしたような言い方はしていなかったそうですが、末っ子は、「バカにされた」ととらえて、くやしくなり、癇癪をおこして、その友達につかみかかったそうです。友達は、けがもなく、先生の仲裁も入り、仲直りはできたみたいです。
相手の発言を間に受けてしまい、授業どころではなくなってしまったそうです。その後国語の授業はさらに苦手意識を持つようになり、「一緒に国語しよか?」と言っても「嫌な思い出があるからいい」と拒否するようになり、学力は下がる一方で本当に困りました。
原因別の対処方法
学校の授業にプラスで家庭教師・教材を利用しよう
大人数での授業が苦手、こだわりが強く苦手な科目に興味が持てない自閉症のお子さんには学校の授業にプラスで家庭教師・教材を利用しましょう。
家庭教師・教材には、自閉症専門のものも多くあります。
家庭教師は自閉症について知識のあるスタッフから、学習支援を直接受けることができますし、教材も自閉症専門のものがあり、タブレットでゲーム感覚で楽しむことができる教材や、カラフルで自閉症のお子さんも楽しんで学習することができます。
末っ子も高校生から自閉症専門の家庭教師、教材をはじめました。
とても楽しんでやっていましたし、学力もぐんと伸びて、もっと早く始めておけばよかったと後悔したくらいです。
おススメは無学年式の勉強法
自閉症のお子さんの勉強方法は、苦手なところは短時間でポイントを絞って学習をしていく、得意なところは、学年の枠を超えて学習していき、その科目の学力を伸ばす学習をしていくことをおすすめしています。
この勉強を「無学年式」といいます。
苦手な科目は、さかのぼって復習を繰り返すことができますし、得意の科目は学年の枠を超えてどんどん学習を進めることができます。
お子さんのレベルに合わせて学習を進められるので自閉症のお子さんにとってもストレスなく学習を進められますよ。
こだわりが強いのは逆に強み
特定のことに強いこだわりを示してしまうのは逆に強みです。
自閉症のお子さんの集中力はとても長けています。好きな教科に対しては、すさまじい集中力を発揮するため、どんどん学力がアップしていきます。
そのため周りの子と比べても学力がとても高いです。
それはその子の強みであり、親としてはその強みをしっかり認めてあげて、無学年式学習を取り入れるなどして学習環境を整えてあげましょう。
お勧めの教材を紹介します
無学年式を採用している教材は、たくさんありますが、その中でも私がおすすめする教材を紹介します。
すらら
すららはタブレット学習で、短い時間で集中できるように「対話型」「参加型」のアニメ動画でお子さんが飽きることなく学習することができます。
月謝は約8000円程度で対象者は小1~高3で幅広い年代のお子さんが利用することができます。
小テストは定期的行われており、自動採点ですのでお子さんを待たすことなく採点結果がでるので時間に無駄がありません。
自閉症のお子さんは待つのが苦手ですので、こういった配慮は嬉しいですよね。
タブレット学習だから、学習内容も子供の個別性にあった対応がしてもらえないのでは?と不安に感じる保護者もいると思います。
しかし、すららはすららコーチがお子さん一人に対して1人つくようになっており、お子さんの特徴、勉強の進捗状況を把握しお子さんにあった学習計画を立ててくれます。
保護者にも子供のかかわり方などのアドバイスをしてくれるのでとても心強いですよね。
実際に利用していた方の口コミ
・すららコーチが、学習相談をのってくれたので、子供とどう接したらよいのか分かった。
・子供が学校から帰ってきたらすぐにタブレットで勉強するようになった。ゲームしているみたいで楽しそうでした
・やっててよかったです。学力が伸びました。
進研ゼミ小学講座
進研ゼミ小学講座は、自閉症のお子さん専用の教材はありませんが、お子さんの学年とは違う学年の教材も受けられます。
そのため進研ゼミ小学講座を利用している自閉症のお子さんはたくさんいます。
紙で作られた教材である「チャレンジ」のほかにデジタル教材として「チャレンジタッチ」があります。
タブレット式で勉強できます。
お子さんの特性に合わせてどちらかを選ぶことができます。
お子さんの学習についての相談も気軽にすることができますし、発達障害支援サイトがあり、お子さんとの関わり方についてアドバイスが詳しく書かれています。
気になる方は是非見てみてください。
実際に利用していた方の口コミ
・違う学年の教材を利用できた。電話で問い合わせたら親身に相談に乗ってくれた。
・チャレンジタッチはうちの子は楽しそうに勉強していました。はじめてよかったです。
スタディサプリ
スタディサプリは小学4年生~大学受験生までが対象となっています。
月々980円の会費のみですべての年代・学年・教科を選び放題です。
基本となるのが講義動画で、熟年の講師が要点整理やわかりやすい解説などを行ってくれます。
残念ながら、スタディサプリは自閉症のお子さん専用ではありません。
個別的なサポートはなく、自分で学習計画を立てて学習していきます。
しかしスタディサプリのメリットは月々980円の会費で質の高い講義が何度も見ることができることです。
苦手克服、先取り学習にはお勧めの教材です。
まとめ
いかがでしたか?苦手教科はポイントを絞って、得意教科は逆に強みとしてとらえて学習を進めていくことが大切です。
学習を進めていくのに「無学年式」の学習はとてもおススメの勉強法になります。
是非紹介した教材を取り入れながら学習を進めてくださいね。